OpenFOAMのTwoPhaseEulerで底面フィルターを”見える化”する

底面フィルター、エビ飼育には定番中の定番ですよね。今回はこの底面フィルターを流体シミュレーションで”見える化”しようと思います。本記事では底面フィルターのシミュレーションが可能であるか調査&検討しました。

難しい話はなるべく省き、画像と動画中心に説明していきます。たぶん、この話題に興味のある人は、ものすごく少ない!!まぁ、自己満足ですね。

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なぜ?

底面フィルターは、仕組みがシンプルが故、使用者が調整する事柄が多いです。その辺りをシミュレーションで”ハッキリ”させたいと考えたからです。

底面フィルターの最適な条件

立ち上げの際に最適なエアー量や吐出口の高さを調査しました。その結果をまとめると以下の通り。

・エアー量

大体1時間で水槽内の水が5~6回転くらいするエアー量が良い

・吐出口の高さ

水面の高さが最も効率が良い

であることがわかりました。ここで少し計算します。

30㎝キューブに入っている水量を25Lだとします。1時間当たり6回転とすると1時間で150L、1分で2.5Lの水をエアーでリフトする必要があります。市販されているエアポンプの吐出量は大体1~4L/分くらい。

ソイルにより水の吸い上げ抵抗があると考えられるため、エアポンプの吐出量=リフト量とはならず、エアポンプの吐出量>リフト量となると考えられます。ただ経験的には3L/分前後の空気であれば、大体OKな気がします。

このように、過去の経験に基づいているためか、割と曖昧な点が多いです。

底面フィルターのシミュレーション

上に挙げたような底面フィルターの疑問を解決するためにシミュレーションで見える化しようと考えました。まず、本記事では底面フィルターをシミュレーションする方法を検討します。※最適な条件の探索は別の記事でまとめる予定です。

底面フィルターのシミュレーションは、振動子ポールの時と同様にOpenFOAMで行いました。

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前回とはソルバーが違って、twoPhaseEulerFoamです。

このソルバーは気液の相互作用を考慮できます。例題の”Injection”を参考にシミュレーション条件を作成しました。以下参考ページ。

本検討で作成したモデル。計算時間の都合上で2Dモデルで作成しました。

いくつかモデルの説明を。

  • 吐出口の高さは、水面+2㎝
  • エアー量は毎分3L/分
  • エアーストーンを空気吹込み口(図内は1つだが、シミュレーションは4つ)で模擬
  • メッシュ部の間隔は2mm
  • 水温・空気の温度は室温
  • 5秒間の空気と水の動きをシミュレーション
  • 層流モデル

シミュレーション結果

苦戦しましたが、なんとかシミュレーションできるようになりました。これは別途、技術メモにまとめます。

空気と水の動き(5秒)を動画にしました。

なんか、水面の動きが荒々しい気がするけど、まあこんなところでしょう。

空気が送り込まれると水がエアリフトさている様子がうまく再現できるようになりました。ちなみに3L/分は水心SSPP-2Sを想定してます。

ちなみに、流れの速度はこんな感じ。

※すみません。見づらいです。もっといい表示の仕方を調べておきます。

空気側は水に比べて速度が変化しやすいので赤色に近くなっています。

エアリフトによる水の吐出によって、水槽内の水が攪拌されているようすが再現できてます。

次に、メッシュ部の流れを拡大します。

やはり、吸い上げ側(左側)に近いほど流れが強くなっています。意外だったのは右端もそれなりに水流が発生していること。ほとんど水流は発生してないものと予想していました。

今回の検討で、(たぶん)底面フィルターをシミュレーションできるようになりました。次は、吐出口と水面の高低差やエアー量に着目して、”最適な”条件を見つけてみようと思います。

まとめ

  • 底面フィルターを再現するシミュレーション方法を構築できた(?)。
  • 乱流モデルの導入。
  • 底面フィルターの最適な条件の探索をやる。

以上

【補足】

底面フィルター内の流れを実験的に調べている方がいらっしゃいました。

下の動画の2:40あたりからです。おもしろい。

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